
仏壇に置かれる「位牌」ですが、「何の意味があるんだろう?」「そんなに大切なものなの?」と思っている人もいるかもしれません。
今回は位牌の意味や、位牌の種類についても紹介していきます。
位牌とは何?意味は?
位牌とは、故人の戒名や法名、俗名、没年月日、享年が書かれている木の板です。
故人の魂が宿る場所・依代(よりしろ)とされ、仏壇やお寺の位牌壇に安置します。
位牌のルーツは中国の儒教で、日本では鎌倉時代に禅宗とともに持ち込まれました。
ちなみに、浄土真宗は「魂は亡くなってすぐこの世を離れて成仏する」という考えなので、位牌は用いません。
浄土真宗では一部の宗派や地域、寺院を除いて、位牌ではなく過去帳や法名軸が使われています。
仏壇に位牌を置く理由
「仏壇は先祖を供養する場所」という感覚の人が多いかもしれませんが、本来仏壇は本尊をお祀りし、本尊に捧げる場所です。
日本で仏教が広まっていくなかで、先祖を敬う信仰が取り入れられ、もともとの役割に加えて供養のために位牌が置かれるようになりました。
仏壇の中心的存在は本尊なので、位牌は真ん中に配置したり、本尊より上に置いたりしてはいけません。
仏壇の前で手を合わせるということは、故人だけでなくご本尊にもお参りしているということになります。
位牌が大切な理由
位牌は、故人の魂が宿るとされる大切なもの。
たとえるならば仏壇は故人の家で、位牌は故人の霊と通じるための場所です。
私たちは位牌を通して故人を偲んだり、感謝の気持ちを伝えたりします。
位牌がなければ故人が宿る場所がなくなり、供養もできなくなってしまうので、とても重要な役割を持っているとされているのです。
位牌は三十三回忌でお焚き上げする
位牌は三十三回忌でお焚き上げをします。
三十三回忌とは、故人が亡くなって満32年目に行われる年忌法要のこと。
ほとんどの仏教宗派では、亡くなって33年経つと極楽浄土へ旅立てるとされています。
また、遺族も高齢となって法要をするのも大変になるので、三十三回忌を区切りとして位牌をお焚き上げして、先祖代々の位牌に合祀します。
その際に、仏壇も一緒に魂抜き・お性根抜きして、片付けることもあるでしょう。
ただし、三十三回忌を過ぎてもお盆や正月になると故人の霊は帰ってくるとされるので、先祖代々の位牌を依代としてください。
位牌の種類は?
位牌には、葬儀から四十九日まで用いられる「白木位牌」、四十九日までに用意して仏壇に置いておく「本位牌」、寺に納める「寺位牌」など、いくつか種類があります。
ここでは、それぞれの位牌について紹介します。
白木位牌
白木位牌は、仮位牌や内位牌とも呼ばれ、四十九日法要まで使われる仮の位牌です。
白木で簡易的につくられた位牌で、亡くなってすぐに作り、枕飾りや葬儀の祭壇に飾られます。
白木位牌は四十九日の法要後に、お寺や仏具店などでお焚き上げしてもらうのが一般的です。
本位牌
本位牌とは、仏壇に祀られる正式な位牌のこと。
四十九日の法要後、白木位牌から本位牌に故人の魂をうつす開眼法要まで、一緒に執り行われるのが一般的です。
本位牌には材質や色合い、形、大きさなど、さまざまなものがあります。
基本的にデザインなどは好きなものを選べますが、大きさは先祖の位牌と同じくらいか、もしくは少し小さめにするのが一般的とされているので、参考にしてみてくださいね。
最近では部屋の雰囲気とマッチするように、陶器やクリスタルを使ったり、寄木細工などでデザイン性を高めたりした、モダン位牌も増えていますよ。
ここでは本位牌によく用いられる、塗位牌、唐木位牌、回出位牌をピックアップして紹介します。
塗位牌
塗位牌(ぬりいはい)は最もポピュラーな位牌で、表面を漆で黒く塗り、金箔や金粉、蒔絵などが施されています。
塗りに使われている素材や、仕上げまでにかかる工程の手間などによって価格が異なり、一般的に1万円~3万円くらいのものが多いです。
唐木位牌
唐木位牌(からきいはい)は、黒檀や紫檀などの美しい木目や色をもった高級木材から作られています。
上品な塗装が人気で、価格は2万円~5万円くらいのものが多く見られます。
回出位牌
回出位牌(くりだしいはい)は、繰出位牌と書かれているものと同じです。
故人の戒名が記された板札が10枚程度入る箱型の位牌で、ご先祖様の位牌が増えてきた場合に、まとめるために用いられることも。
回出位牌が先祖代々受け継がれてきたというケースも多いでしょう。
寺位牌
家の仏壇に祀る位牌とは別に、菩提寺や壇那寺に安置する位牌を寺位牌といいます。
自宅に位牌を置けない人や、永代供養を希望する場合に、お寺に供養をお願いするために用意されるほか、自宅と菩提寺の両方に位牌を置くケースも。
費用や形式などはお寺によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
ちなみに、禅宗では寺位牌のことを本位牌といいます。
故人の戒名や法名などを記した位牌は、故人の魂が宿るとされます。
私たちが故人を偲び、冥福を祈るために欠かせないものなので、大切に扱いましょう。
仏壇や位牌を処分することになった場合には、魂抜き・お性根抜き(閉眼供養)が必要です。
お仏壇や位牌、遺影の処分や供養などでお困りのことがあれば、仏壇処分・供養を承っているPROUD(プラウド)まで、お気軽にご相談ください。