近年、新しい供養のかたちとして選ぶ人が増えている手元供養。
葬儀やお墓などが多様化していく中で、故人を近くに感じられるなどの理由から注目を集めています。
今回は手元供養について、種類やメリット・デメリットも含めて紹介します。
手元供養とは？
手元供養とは、故人のお骨を供養の対象にするもので、自宅供養とも呼ばれています。
お墓に納骨するのではなく、アクセサリーの中に入れて持ち歩いたり、小さな骨壺に入れて自宅で保管したりします。
故人を近くに感じることができるとして、近年人気を集めている比較的新しい供養のかたちです。
手元供養が注目されている理由
近年、核家族化や住環境の変化などによって「お墓参りに行くことが難しい」「お墓がない」という人が増えています。
故人のお骨を全てもしくは一部を自宅などに保管できる手元供養は、今までの宗教儀礼やしきたりにとらわれない、新しい供養として広がりを見せています。
また、大切な人を喪って寂しいという気持ちを和らげたり、日常の中で故人を思い出したりすることができるという理由から、手元供養を選ぶ人も。
「納骨しないと成仏できない」という話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、これは迷信です。
日本の仏教の考え方として、納骨しないと成仏できないということはないので安心してくださいね。
ちなみに納骨せずに自宅で遺骨を管理することは、法律上の問題もありません。
手元供養の種類
手元供養にはさまざまな方法があり、考え方やライフスタイルに合わせて自由にかたちを選ぶことができます。
ここでは、一般的に選ばれることが多い手元供養の種類についてチェックしてみましょう。
アクセサリー
いつでも故人とのつながりを感じることができるとして、遺骨をアクセサリーにする手元供養は、特に若い世代や女性から人気です。
アクセサリー加工には、遺骨をダイヤモンドにしたり、遺灰を樹脂加工したりと、さまざまな技術が用いられています。
ペンダントやリング、ブローチ、数珠など、選択肢が多く、デザインも充実しているところも支持されるポイントです。
アクセサリーをつけるのが難しい場合は、キーホルダーなどにする人もいますよ。
「さりげなく身に付けていたい」「ずっと近くで見守っていてほしい」という人におすすめの手元供養です。
ミニ骨壺
遺骨の一部を納められる分骨用のミニ骨壺は、世代を問わず人気がある手元供養のかたちです。
ミニ骨壺は仏壇に安置したり、仏壇がない場合は写真の前に置いたり、部屋の好きな場所に置くことができます。
さまざまなデザインや素材の骨壺があるので、部屋の雰囲気や好みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか？
携帯できるサイズのミニ骨壺もあるので、バッグなどに入れて日頃から持ち歩いているという人もいます。
インテリア用品
ぬいぐるみや花器、ハーバリウムなど、インテリアタイプの手元供養も広がりをみせています。
見た目も可愛らしいので、飾るだけで部屋の雰囲気も気持ちも明るくなるでしょう。
「リビングなどの見える場所に置きたいけれど、お客様が来たときに骨壺だと分かるものはちょっと…」という人にもおすすめです。
置物でもさまざまなタイプがあるので、好みのインテリアを選んでみてくださいね。
手元供養のメリット・デメリット
手元供養には、メリットもあればデメリットに感じられるところもあります。
手元供養を検討する場合は、メリット・デメリットの両方を理解しておくことが大切です。
手元供養のメリット
手元供養の最大のメリットは、故人を近くに感じられること。
近くで見守ってくれるような安心感があり「なかなか気持ちの整理がつかない」「暗くて狭いお墓にいれるのはかわいそう」という理由から、手元供養を選ぶ人もいます。
また一般的に手元供養はコンパクトなものが多く、マンションなどでも置き場所に困りません。
オシャレなデザインも充実しているため、インテリアとマッチしやすいところもメリットと言えます。
仏壇やお墓を購入するより金銭的な負担を抑えられるところも、手元供養が支持されているポイントです。
手元供養のデメリット
手元供養のデメリットには、遺骨を管理する人が亡くなったあとにどうするかという問題があります。
手元供養をする場合は「自分が亡くなったら、お骨を棺に入れて欲しい」「同じ骨壺に納めて欲しい」など、万が一のことに備えて決めておくことが大切です。
また納骨せずに手元で供養したり、分骨したりすることを家族から反対される可能性も。
手元供養を考えている場合は、いずれ遺骨をどこかに納めなければいけないことを踏まえて、周囲の人や家族とよく相談するようにしましょう。
手元供養は「大切な人を近くに感じていたい」「定期的にお墓参りをすることが難しい」など、さまざまな理由から選ばれています。
無宗教の人も手元供養を選ぶことができるので、自分の考え方やライフスタイルに合わせて選んでみてはいかがでしょうか？
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